FXは投資? ゲーム? それともギャンブル?

FXって何?

 

先週は、「FXの全体像って見えていますか?」ということについてお伝えしました。

今週はもう少し掘り下げていきます。

 

こんなメニューでお届けします。

 

● FXって何?

 投資?
 それともゲーム?
 あるいはギャンブル?

● FXの歴史ってどれくらい?

 高校の教科書で学ぶとおもしろい

● FXを何か他の取り組むものに例えるなら?

 将棋に近い?
 それとも柔道?
 いや、もしかしたら登山かもしれない

 

FXは投資? それともゲーム? いやいやギャンブル?

 

FXは投資のカテゴリーで取り上げられることが多いのですが

そもそも投資ってなんでしょう?

 

私の手元にある広辞苑 第二版補訂版によると

・投資

① 利益を得る目的で、事業に資金を投下すること。出資。
② 元本の保全とそれに対する一定の利回りとを目的として貨幣資本を証券(株券及び債権)化すること。「ー家」

と記載があります。

 

では、ゲームやギャンブルは?

同じく広辞苑にはこのように書いてあります。

・ゲーム

① 競技。勝負。試合。勝負事。
② 遊戯
③ 庭球の試合で、セットを構成する一区切り。‥‥‥

・ギャンブル

賭け。博打。投機。

ちなみに、博打についても調べてみると

・博打

① 財物を賭け、骰子(さい:サイコロのこと Do. 注)・花札・トランプなどを用いて勝負をあらそうこと。ばくえき。かりえき。とばく。
② 一か八かのまぐれあたりをねらう行為。
③ 「ばくちうち」に同じ。‥‥‥

 

私が個人的に感じているのは(あくまでも私個人の考えです)、

投資とは複利を使って資金を増やすことが出来るもの。

ゲームとは参加料を支払って楽しく遊ぶもの。

ギャンブルとは自分が及ばない力に結果が大きく左右される勝負。

 

では、FXは?

というと、基本的にはギャンブルだと感じています。

広辞苑の博打の項目にある「② 一か八かのまぐれあたりをねらう行為。」。

これはストレートですよね。

 

少なくとも、「一寸先は闇」と言われる相場に資金を投じるわけです。

まぐれあたりをねらう行為、と言われても

「はい、そうです。」

とうなずくしかありません。

 

自分の力が及ばない世界で、

上か下かにベットするわけですから、

相場参加者はみなさん(実需筋は少し意味合いがずれますがギャンブル要素も残ります)ギャンブラーと言えます・・・

いや、みなさんギャンブラーです、と言いきってしまっては

語弊があるかもしれませんね。

 

「私はギャンブラー」だと思った上で

しっかりとリスク管理をするほうが

「必ず勝ってやる」と思って勝負するよりも

生き残る確率は上がる、という考えでいかがでしょうか。

 

一つ一つのトレードの勝ちにこだわりすぎると

ストップを動かして「あとは祈るしかない・・・」

といった状況に陥りやすくなります。

 

それよりは、個々のトレードはまぐれあたりをねらうだけなので

ダメなら早くあきらめて、潔く負けを認めた上で、

長期的に優位性の高いロジック全体で勝負するギャンブラーになったほうが

いいと感じています。

 

 

一方、ゲームは参加料を払って楽しむものだと思っていますので

デッド・オア・リッチのようなナンピンEAはゲームだとお伝えしてきました。

ストップ(損切り)の概念がほとんど無いナンピンEAは

元本(参加料)が戻ってこないことを納得の上で

利回りを狙っていくわけですからゲームだと思っています。

もし、元本回収ができたら、「ラッキー」という感覚で楽しまないと

含み損とデッドのリスクに耐えられなくなります。

 

 

また、FXを投資として取り組みたいのなら

複利を使ってロットを増やせる取り組み方が必要です。

 

取引コストである手数料、スプレッドを加味した上で

長期的に優位性のあるロジックを複利で淡々と繰り返す。

地味ですが、これが私が考える投資です。

 

FXは投資? ゲーム? ギャンブル? の結論を言えば

FXはギャンブル。

取り組み方によって、ゲームや投資になる。

 

これが、私の今の答えです。

 

 

FXの歴史ってどれくらい?

 

さて、ここでちょっと視点を変えてみましょう。

FXって何?

と考えていた時、そもそもFXの歴史ってとんでもなく短いよね。

と思ったんですね。

 

FXをいつからできるようになったか知っていますか?

 

Wikipedia(外国為替証拠金取引)によると、

「日本では1998年に外国為替及び外国貿易法が改正され、ダイワフューチャーズ(現・ひまわり証券)、豊商事などが取扱いを開始。
2000年にトレイダーズ証券(現・みんなのFX運営会社)が国内で初めて個人投資家向けにインターネットを利用したFXサービスを開始すると、ブロードバンドの普及も手伝って市場が急速に拡大した。」

とあります。

 

私たち個人投資家が気軽にFXの取引ができるようになって、

わずか20年ちょっとの歴史しかないんですね。

 

そして、為替の歴史を調べると

いろいろと面白いことに気が付きます。

ドル円相場が現在のように変動するようになったのは

1976年1月にキューバのキングストンで行われた

IMFのキングストン合意以降です。

それ以前は固定相場制で1ドル360円で固定されていた時期もあります。

 

為替相場が今のように変動するようになったのは

わずか45年前なんです。

 

通貨ペアのチャートが動くのは、今では当たり前ですが

全く動かなかった時代が最近まであったということを知ると

面白いですよね。

 

それを知ってFXで勝てるようになるか?

と言われたら、それはわかりません。

ただ、自分が戦う環境のことを深く知ることは重要です。

 

長期的に相場の世界で生き残っていくには

このような基礎力の差が結果に大きく影響する場面が出てきます。

 

基礎力をつけるにはとても良い教材があったので紹介しますね。

高校の現代社会の教科書です。

動画で紹介しているのでご覧ください。

 

とにかくわかりやすくて面白いです^ ^

 

FXを何かに例えるとしたら・・・・登山かもしれない

 

歴史が短いFXを、何か他のスポーツや趣味などに例えることができないか、

考えてみました。

それができれば、FXの本質に近づくことができるかもしれないと思ったんですね。

 

例えば、将棋。

勝負の世界としては近い部分もありますが

1対1の対局という部分など、少し違う部分があります。

 

また、武道もメンタルや技の習得についてはとても近いものを感じていますが

全体像を捉えるとしたら、ちょっと違う感じがします。

 

将棋や武道の側面からもFXを見ると面白い部分がたくさんあるので

それについては、また後日お伝えしますね。

 

 

いろいろな取り組みと比べてみて全体像が一番近いと感じたのは

登山です。

 

 

以前、登山家の長谷川恒男さんを紹介しました。

今回も彼の著書、『北壁に舞う』から引用させていただきます。

 

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解説 松山善三

彼の登山には、山を「征服する」といった覇気は、全くない。

西欧のアルピニズムは、自然と人間の対決だから、
すぐに「征服」という言葉が出てくるけれど、
彼は
「ぼくは、自然に感謝しつつ登る。
 岩肌に寄り添って登る。
 昔の山岳信仰に近い気持ちで登る」
と言っている。

「山登りの楽しさは、自然から学ぶことと、
 学んだことで、こんどは自分の中に眠っていた……
 自分でも知らない自分を引き出すことが出来る。
 ……それですね」
とも言う。

 

~中略~

 

「ぼくは、松山さん、あなたよりずっとずっと臆病ですよ。
 だから完全な装備でゆきます。
 信頼できる道具を選ぶ。
 それに自分のいのちを託すんですからね。
 ……ぼくは、イチかバチかの道は、決してとりません……」

 

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この文章を書いた松山善三さんは

『北壁に舞う』の舞台になったグランド・ジョラス北壁の

登攀記録映画を撮った監督です。

 

最後に長谷川恒男さん本人の言葉を。

 

 

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山がおだやかで機嫌よく、
人間を受け入れてくれるような状態になった時、
登らせて下さいとお願いしてそっとよじ登るんです。

 

登山は登頂することに意義がある。
しかし、登頂して下山して、
生き抜いてゆくことこそが、
本来の目的であると私は信じている。

 

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冬の北壁と比べると、相場の世界は厳しくないかもしれません。

でも、

僕らも、この相場の世界で生き抜いてゆかなければなりません。

 

相場さんに感謝しつつ。