インジケーターのリペイントは悪くない?

インジケーターの矢印などのリペイントってどういうこと?

 

「リペイントするインジケーターは使えない」といったことを

聞いたことがある人は多いと思います。

今日のワンポイントレッスンでは、そのリペイントについて深堀りしていきます。

 

リペイントにはいろいろなパターンがあります。

矢印サインのリペイントが最も一般的でわかりやすいので

私が作っているインジケーターの例も出しながらお伝えします。

 

まず、リペイントの種類についてお伝えします。

よくあるパターンは次の3つです。

 

1.  出ていたサインが足が変わると直前の足では消えて最新の足に移動する

2. 最新足では出ていたサインが消えてなくなる

3. 最新足では出ていなかったサインがあとで(足が確定した後)出てくる

 

上の3つの文章の中に、とても大切な言葉が2つはいっています。

「最新の足」、「確定足」この2つです。

 

 

リペイントの話をするには、ローソク足のどの位置で、

いつ出たサインなのか?

ということがわからないと、話が始まりません。

 

そして、最も大切なのは「最新の足」です。

「最新の足」というのは、チャートでは一番右側の

今、動いている足のことです。

 

僕たちがトレードをするのは、

常に最新の足になります。

 

当たり前ですよね。

5分前の足のタイミングの過去にさかのぼって

エントリーすることが出来るのなら

すべての人が簡単に勝ててしまいます^ ^

 

 

例えば、「こんな素晴らしいタイミングでサインを出すインジケーターです」

というウリ文句のチャートに矢印が表示されていると、

とても良いタイミングで出ているように感じてしまいます。

 

その時に、気をつけなければならないのは

一番右端の最新足以外のサインは

足が確定してできたサインの可能性もありますし、

また、複数のサインが出ていたけれど、

最も条件が良いように見えるサインだけ残っている可能性もあります。

 

これは、他の人が作ったインジケーターを使う時に気をつけるのはもちろんですが、

自分自身がインジケーターを作る場合も同じです。

 

自分が作ったインジケーターを、初めてチャートにセットした時、

「おっ! 素晴らしいタイミングで矢印が出てる!」

と喜ぶことはたくさんありますが

それですんなりOK、というような甘い世界ではありません。

 

今、作っているプルバック用のインジケーターも同じでした。

 

問題は「最新足」でどのようなサインが出ているのか?

これを確認しなければなりません。

 

インジケーターの種類によっては最新足ができた瞬間の

確定足(最新足のすぐ後ろの足)にサインが出るものもありますので

「最新足と最新の確定足」に注目する必要があります。

 

実際に、リアルタイムで動かしているチャートか、

バックテストでのサインの出方を見て

良し悪しを判断しましょう。

 

止まっているチャートの過去の確定足のサインだけを見ても

正しい判断はできません。

(一部の確定情報のみを使って出すサインの場合は大丈夫です)

 

 

サインはなぜリペイントするの?

 

そもそも、どうしてサインはリペイントするのでしょうか?

そこを考えるとインジケーターの使い方がわかってきます。

 

インジケーターは、さまざまな情報をもとに計算してサインを出しています。

その、大元の情報はローソク足の4本値であることがほとんどです。

 

もし、確定した足の4本値のみを計算式に使ったインジケーターの場合は

サインがリペイントすることはありません。

なぜなら、確定した足の4本値は、その後、いくら時間が経過しても

変わることが無いからです。

 

一方、移動平均線のような複数のローソク足の四本値の数値をとって

平均化するインジケーターの場合は

最新足が大きく動くと、平均値に大きな変化が出るので

過去の値も変わることがあります。

 

また、インジケーター設置足ではなく、

上位足の環境認識を行うインジケーターだと

設置足ではすでに確定した過去足になっていたとしても

上位足の場合は最新足なので大きく数値が変化することで

インジケーター設置足の確定足に出ていたサインが消えることになったり

今までなかったサインが突然でてくるようなことが起きてしまいます。

 

今回のプルバック用インジケーターでも何種類かのリペイントがありました。

 

下記の1分ほどの動画を見て下さい。

 

 

最初の3つがリペイントしないサインですが、

チャート場面が変わった後半のサインはリペイントしています。

 

この場面でのリペイントは、チャート設置足のローソク足の動きの影響で

最新足に一度表示されたサインが消えて、

次の足で再度サインが出て、チャートには2度目のサインが残っています。

 

これだと、チャートに残ったサインが有効かどうか検証しても

意味がありません。

トレード時には、消えてしまった最初に出たサインで

エントリーを判断するわけですから。

 

そこで、検証しやすいように一度サインが出れば、

その後3本までは同方向へのサインが出ないようにしました。

パラメーターの一番下の部分です。

 

また、最初のサインが消えても

どこでサインが出たかわかるように価格を表示するようにしました。

 

・価格表示とサインがあるチャート

 

 

・価格表示が無いサインがあるチャート

 

緑色の矢印で指し示したところが、価格表示が出ているタイミングで、

この時にサインが出た、ということがわかります。

 

ローソク足のどのあたりで出たのかということがわかるので

より正確な検証が可能です。

 

また、下の画像には価格表示が無い矢印が一つあります。

( 赤丸で囲んだ矢印 )

この矢印が出たローソク足には価格表示が無いので

最新足でできたサインではないことがわかります。

 

赤丸で囲んだ矢印の足の次の足が長い陽線なので

その影響で、足が確定した後に条件をクリアしたので

サインが出た、と考えられます。

 

このサインの特徴は、

押し目、戻り目を作った後、

トレンド方向に反転したと認識したタイミングで

サインを出すますので少し遅れ気味になります。

 

上位足と方向が合っている時にサインを出すので、

じっくり待って、できるだけダマシを回避してからのエントリー

という形になります。

 

 

リペイントは悪ではい

 

ここまで読んでいただいた方には、もうおわかりかと思います。

リペイントはわるいことではありません。

 

もし、ご自身が使っているインジケーターがリペイントする場合は

どのような理由でリペイントするのか?

また、そのリペイントの中でも、

どのタイミングでおきるリペイントに気をつけなければならないのか。

 

それをしっかりと自分自身で把握した上で使っていきましょう。