身銭を切れ ~ SKIN IN THE GAME

身銭を切れ ~ SKIN IN THE GAME

 

おはようございます。

Do. です。

 

まずは先週のデッド・オア・リッチの結果です。

 

週の途中でコントローラーEAが入ったチャートを消してしまって

再設定しているので画像の累計損益は実際の金額とは違っています。

先週の週間利益は 117,892 円になります。

 

6 月 5 日に 100 万円から始めたデッド・オア・リッチのタイプCの検証デモ口座は

1 ヶ月で 1,869,674円になりました。

デッドを考慮した上で目安にしている月利 100% には到達できませんでしたが

月利 87% はまずまずの結果です。

 

デッド・オア・リッチは、ナンピン系 EA ではありますが、

現在、含み損はゼロです。

 

今週は目標利確までは届いていないのですが、

週末にプラスであれば自動で全決済して仕切り直しを行うシステムなので安心です。

昨日( 7 月 3 日土曜日 )朝の全決済の様子を録画したのでご覧ください。

※ 全決済後は早送りの編集をしています。

 

今週もシステムを最終調整して、タイプCを正式にデッド・オア・リッチのβ版として

ピュアマスターのみなさんに無料公開することに決定しました。

これから説明動画等の準備を行いますので明日以降の公開となりますが

準備ができましたらマスターコミュニティで連絡しますので

もう少しお待ち下さい。

 

 

さて、今日の本題です。

ナシーム・ニコラス・タレブの『身銭を切れ』という本からの引用です。

少し長くなりますがご覧ください。

 

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予測に関して言えば、
そんなものは無視しちゃってかまわない。

(言葉による)予測は、(行動による)投機とは
なんの関係もない。

私は個人的に、予測の下手な金持ちと、
予測の ”得意”な貧乏人の両方を知っている。

人生で重要なのは、結果の予測を “的中”させる頻度ではなく、
的中させたときにどれだけ儲けるかだ。

読みを間違えるのは、
大きな犠牲がなければさして重要ではない。

ある意味、学術研究における
試行錯誤のメカニズムと似ている。

ゲームの世界ではなく実生活におけるリスクは、
あまりにも複雑すぎて、言葉で簡単に定義できるような
”事象”へと単純化することはできない。

実生活で起きる出来事は、
野球の試合結果のように「勝」「敗」の
ふたつの値へと還元できるわけじゃない。

多くのリスクは線形的とは程遠い。

雨に降られることが利益になることはあっても、
洪水が利益になることはない。

厳密な議論については、筆者の専門的な研究で具体的に説明するとして、
とりあえずはこう理解してほしい。

”科学”で行われる予測はペテン師が頼る最終手段であることが多く、
しかもはるか昔からずっとそうだったのだ。

さらに、数学でいう「逆問題」もある。

これは身銭を切ることでしか解けない問題だ。

単純に説明すると、次のようになる。

 

何かを作ること(エンジニアリング)よりも、
作られたものを見てその作り方を再現すること(リバースエンジニアリング)のほうが難しい

 

進化の力が作用した結果を見て、その力を再現することは不可能だ。

因果関係が不透明だから。

進化の過程は前進させることしかできない。

しかし、「時」(あえてカッコで囲んでいる)の作用や不可逆性が成り立つためには、
身銭を切ることが必要不可欠だ。

~ 中略 ~

身銭を切ることを義務付けるシステムは、
生存が必要な集団やより上位の実体を守るための犠牲という概念で成り立っている。

つまり、「生存こそがものを言う」。

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いかがでしょう?

 

原題の「SKIN IN THE GAME」は

直訳だと、リスクがあるゲームに肌身をさらすこと、

となりますが、その意味は企業の経営者が自社株買いを行うこと。

 

ウォーレン・バフェットが投資対象の企業を判断する時に

経営者が自社株買いを行っているかどうかを一つの評価基準にしていた、

ということで、この言葉が広がっていったと言われています。

 

タレブはプレイヤーであり、研究者でもあるので

その言葉の重みは圧倒的です。

それだけに身銭を切らない評論家への皮肉も本書にはたくさん書かれています。

 

身銭を切ってさまざまな実践、進化をし続けたものだけが生き残る。

これが自然の摂理であり、歴史が証明している。

 

タレブのメッセージを私は、このように受け取りました。

 

タレブは自身のインケルトーシリーズの下記 4 部作を「エッセイにすぎない」と言っています。

( インケルトーとはラテン語で不確実性という意味 )

 

『まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか』

『ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質』

『反脆弱性――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方』

『身銭を切れ 「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質』

 

投資という世界に興味がある人以外の方にも

是非手にして覗いてみてほしいエッセイです。