FX:お金って何? 億男からヤップ島のフェイとシルビオ・ゲゼルそして、プロスペクト理論へ

お金って何? 億男からヤップ島のフェイとシルビオ・ゲゼルそして、プロスペクト理論へ:2018.10.21

 

おはようございます。

Do. です。

 

昨日は、午前中、打ち合わせがあって街に出たのですが

ノープランだった午後、思いつきで映画を見てきました。

 

最初は『カメラを止めるな!』を見ようかと思っていたのですが、

嫁さんに『 億男 』が面白いかも、と言われてスマホであらすじを確認したら

これは良いかも、と感じたので見てきました。

 

いろいろなことを感じることができる映画でした。

お金って一体何?

というテーマをいろいろな角度から見ていって

最後はここかあ、という感じ。

 

 

帰宅してから、

お金についての本を久しぶりにパラパラとめくってみました。

 

・エンデの遺言「根源からお金を問うこと」 河邑厚徳+グループ現代 著

・お金の現実 岡本吏郎 著

・裏お金の現実 岡本吏郎 著

・楽しいお金 高木悠鼓 著

・ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る ダニエル・カーネマン 著

・なぜ世界は存在しないのか マルクス・ガブリエル 著

 

最後のマルクス・ガブリエルの本は直接お金とは関係ないのですが、

根っこは同じような気がしています。

 

 

エンデの遺言は 1999 年 5 月 4 日に放送された

NHK スペシャルを書籍化したものです。

この放送をリアルタイムで見たのですが、

かなり衝撃的だった記憶があります。

 

お金って何だろう?

 

ということを、初めて考えたきっかけかもしれません。

 

エンデの遺言で一番印象に残ったのが

シルビオ・ゲゼルの減価するお金の考え方。

 

1 万円という紙幣の数値的な価値は

円という通貨が信用されて流通している間は

1 万円で変わりません。

( インフレ、デフレによって交換する物の価値は変わってきますが )

 

その価値が、もし、1 年でゼロになるとしたら?

あるいは、ゼロまでいかなくても、

95%に減るとしたら?

 

1 万円を手にした時には 1 万円分のお米を買うことができたのに

1 年後には 9,500 円分のお米しか買えなくなるとしたら

できるだけ早く使いたいですよね。

 

そうすればお金は実体経済で流通しやすくなります。

 

貯金する意味が無くなってしまうんですね。

これは非常に面白い考え方です。

シルビオ・ゲゼルは 19 世紀に生まれた人ですが、

この減価するお金の考え方が

現在のIT技術を使って復活しようとしている、

といった話もあります。

( 直近の NHK スペシャル マネー・ワールド ~資本主義の未来~

で取り上げられていました)

 

 

ケインズは『雇用、利子および貨幣の一般理論』のなかでこのように書いています。

 

「シルビオ・ゲゼルは不当にも誤解されている。

彼の著作には深い洞察力のもつ明晰さが含まれており……

われわれは将来の人間がマルクスの思想よりは

ゲゼルの思想からいっそう多くのものを学ぶであろうと考えている。

『自然的経済秩序』の序文を読む読者は、

ゲゼルのもつ道徳的価値を評価できるであろう。

われわれの見解ではこの序文のなかにこそ、

マルクス主義に対する回答が見いだされるべきである」

                ~ エンデの遺言より

 

まさに、ケインズが予言したことが現実になってきています。

 

 

もう一つ、動画でお伝えしたのは

『 お金の現実 』に出てくる

ヤップ島のフェイの話。

 

この話はとても有名ですよね。

 

この島で流通しているフェイという石灰石でできたお金は

重いため、ほとんど動かしていないそうです。

動かしてはいないけれども、

取引があれば、島のみんなは

誰それにお金が移ったということを知っている。

 

フェイは遠くの島でのみ、切り出すことができるのですが、

その島からヤップ島に持ち帰る時に

嵐にあって船が沈没して

フェイが海底に沈んだとしても、

そのフェイは切り出した人の持ち物として

島のみんなは認めているんですね。

 

フェイの実物は無くても

みんなが信用しているから成り立っている経済。

 

現在の資本主義もある意味同じとも言えます。

 

原価 20 数円と言われている 1 万円札に、1 万円の価値がある、と

みんなが信用しているから成り立っている経済です。

 

億男の競馬の場面のお金に動きは

とても興味深かったです。

信用経済の本質をうまく表現しているなあ、

と思いました。

 

 

自然界で生きていくには

「 大地があれば生きていける 」

という原点は変わりません。

 

ただ、今の日本で暮らしていく上で

お金との関わりを無くすことはできません。

お金の本質を知って

どのようにお金と付き合っていくのが良いのか。

 

時々立ち止まって感じてみることも大切かもしれません。

 

億男はそんな事を考えさせてくれた

興味深い映画でした。

 

緑の大地ではなく、モロッコの砂漠での「芝浜」は

とても印象的でした。

「芝浜」のあらすじを確認すると

なるほど。

これが根っこにあったんだなあとも。

 

それでは素敵な週末を^ ^

 

 

そうそう、プロスペクト理論の話は

ほんのサワリだけ動画の最後に話しています。

 

これは、またの機会に。